私達に欠かせない衣類
私達は、日々、衣食住の中で生きています。そして、自分が求めるものが、衣食住の中にも現れていきます。着る服の好み、好きな食べ物、体に心地良いと感じる環境から、自分らしく生きられる環境を作っていく事になるでしょう。そういった意味では、衣類も、食事も、住居も、私達の生活には、勿論なくてはならないものでもありますが、自分を表現するものとしても、欠かせないものなのかもしれません。
その1つ、衣類に接する時、私達は必ず、衣類を販売している店などに出向いて購入するでしょう。このように、私達が身近に接している衣類の世界をアパレルと言います。そして、そこで接するのが、アパレルの販売員です。その販売員によってディスプレイされたり、勧められたりしながら、私達が目にする衣類を選んでいるのが、アパレルバイヤーです。このように、私達が目にし、手にとって購入し、身に付けて自分を表現していく衣類は、バイヤーによって選ばれたものなのです。
Aさんは、このアパレルバイヤーの中でも、バイヤー・マネージャーという仕事を任されています。バイヤー・マネージャーという仕事がどういう仕事なのか、どんなスキルが必要になるのか、Aさんを通して見ていきましょう。
バイヤー・マネージャーの仕事
Aさんが任されているバイヤー・マネージャーは、衣類販売においての総合的な仕事と言えるものかもしれません。バイヤー・マネージャーは、バイヤーとして、品物を買い付ける事のほか、自分の買い付けた品物が並ぶショップのフロアを管理したり、品物をメディアに露出させプロモーションをしたり、その商品を売っていく戦略やサービスの提供の仕方などを考え出していく仕事となっています。
Aさんの業務内容も、海外ブランドから商品を買い付け、商品を売る戦略を立て、雑誌やショーなどを通して買い付けた商品をお披露目し、それを見た顧客へのサービスを含めたショップ管理を任されています。
Aさんは、店に訪れたお客さんが自分の選んだ商品を手に取り、そして笑顔で帰っていく姿を見るたびに、自分の仕事に自信がつき、また、誇りとなっていくと言います。そして、街で様々な衣服を着て歩く女性たちを見る度に、彼女達がもっと輝けるものを見つけなければならないという使命感も生まれてくるそうです。Aさんは、バイヤー・マネージャーという仕事に日々やりがいを感じていると言います。しかし、こんなやりがいのある仕事に就くまでには、苦労も沢山あったと言います。Aさんがどうやってバイヤー・マネージャーになったのか、見て行きましょう。
バイヤー・マネージャーになる道筋 その1
Aさんは、海外留学していた時期がありました。その際、友人に誘われた一軒の店での出来事で、それまで商社を目指していましたが、アパレル業界に就職する事を決めたそうです。しかし、服飾の専門学校に行った経験もなければ、知識もありませんでした。それでも、英語があれば何とかなると自分に言い聞かせ、思い切ってその店に雇って貰う様交渉したそうです。何ヶ月もの粘り強い交渉のお陰で、店のオーナーに雇って貰える事になりました。Aさんはまず、販売員として雇われました。最初は右往左往する日々。客に売った服を返品されたり、罵倒されたりする事もあったそうです。しかし、諦める事無く日々勉強し、接客の能力が認められて、バイヤー・アシスタントになる事が出来ました。上司について色々な店を回り、値段交渉のコツやトレンドの先読み術を覚えて行ったそうです。
店のオーナーが日本好きという事もあって、日本の商品も扱う事になりました。そこで、Aさんは日本での買い付けを任される事になりました。バイヤーとして、独り立ちする事となったのです。Aさんは、海外で売りたいというデザイナーやメーカーを見つけては交渉し、契約を取り付けていきました。店に意気揚々と帰ると、こんな値段では買えないとオーナーに叱られたり、自分の買い付けた商品が誰の手にも取って貰えなかったりした事も数え切れないと言います。そうした辛い日々の中から、先見の明や相手を立てつつ自分に有利に持っていく術などを学んでいきました。そして、消費者が手にとって納得する値段にしなければ、どんな良い服でも売れないという事に気付いたそうです。そうして得たスキルで、Aさんは、バイヤー・マネージャーとして、総合的な仕事を任される様になりました。
バイヤー・マネージャーになる道筋 その2
Aさんは、その後、オーナーの人脈で、日本の店でバイヤー・マネージャーとして働く事になりました。そこで、バイヤー・マネージャーを目指しているBさんと出会いました。Bさんは、服飾専門学校でバイヤーとしての勉強をし、アパレル業界に入って来ました。知識も豊富で、アシスタントからの経験もしっかり積んでいます。最初は、専門学校の紹介による店で経験を積み、フリーのバイヤーに転向しました。しかし、買い付けして店に陳列するだけでは、物足りなさもありました。もっと自分を表現したい。その為には、自分が買い付けた物を多くの人に知って貰う必要がある。それが、バイヤー・マネージャーになるきっかけだったそうです。AさんはBさんに、バイヤー・マネージャーは、その時の流行を先読みし、リーズナブルな値段で交渉するだけでなく、商品をどう見せるか、どう売っていくかといったマーチャンダイジングと、その商品によってブランドのイメージを大切にしなければならないというプレスの仕事も担っている事を教えました。
傾向の正確性、アプローチの仕方、人との繋がりの大切さを、BさんはAさんから学び、自分のスキルにしていったという事です。
仕事の探し方
AさんやBさんの様に、バイヤーの仕事は、販売員やアシスタントからのスタートとなります。まずは、経験を積み重ねていける店に就職する事が必要です。パソナキャリアでは、外資系の企業やアパレル業界の求人を多く扱っています。また、アルバイトから始めるならば、正社員登用制度や評価システムを持っている[en]本気のアルバイトがお勧めです。
また、ある程度経験を積み、バイヤーからバイヤー・マネージャーになるには、人脈が必要になってきます。よって、バイヤーの頃からコミュニケーションをとり、活躍出来る店を見つけておくのも、仕事探しの方法と言えます。